弟が母校と対戦 懐かしい校歌、兄「聞きたくなかった」

長妻昭明
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(18日 高校野球熊本大会 必由館0-2ルーテル学院)

 必由館の一塁手、中山大輔君(3年)の兄、翔太さん(22)はスタンドから複雑な思いで試合を見守った。自身は対戦相手のルーテル学院の野球部出身。いつもは母校側のスタンドで応援していたが、この日は両親と一緒に必由館のスタンドへ。大輔君が打席に立つと「昨日やったことを思い出せ」とつぶやいた。

 大輔君が小学校の時からバッティングを教え、アドバイスを送ってきた。試合前日の17日も、1回戦で安打が出なかった大輔君に「変化球か直球、どっちかに絞って打つようにしたら」と声をかけ、母校ルーテル学院の特徴を教えた。

 「ルーテルには絶対に勝つから」と話していたという大輔君だが、この日は緊張のせいか狙い球を絞れず3打席凡退。2点を追う九回2死で迎えた4打席目もセカンドゴロに倒れ、最後の打者となった。

 翔太さんは、聞き慣れた母校の校歌が流れる中、グラウンドで泣き崩れる大輔君を見つめていた。「今日だけはルーテルの校歌を聞きたくなかった。大輔が3年間本当に努力していた姿を見ていたので、勝ってほしかった。大輔には大学まで野球を続けてもらって、俺がこれからも指導して、この雪辱を果たしたい」と話した。(長妻昭明)