ハネタクは正座をしている 激流ゆくカヌー、強靱な体幹で舟を制御

カヌー

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 リオデジャネイロ五輪で羽根田卓也(ミキハウス)がアジア勢として初の銅メダルを獲得し、カヌーのスラロームは日本でも露出が増えた。パドルの両端にブレード(水かき)がついたカヤックと、片側だけについたカナディアンの2種目がある。

 この2種目の違いは、ブレードだけではない。周囲からは見えない、カヌーの内部。フネに乗り込む姿勢も違うのだ。

 羽根田が出場するカナディアンシングルは正座のような姿勢。対してカヤックは足を伸ばした長座のような姿勢だ。

 ルール上はどちらの姿勢でもいいのだが、なぜ違うのか。1996年アトランタ五輪にカナディアンシングルで出場した藤野強さんが説明する。

 「カナディアンはブレードが一つしかついていないため、利き手側、反対側と上体をくねらせながらフネをこがなければならない。その分、力が入りやすいように上体を水面からより高く保つ必要があるんです」

 カヌーの形状はどちらも細長く、不安定でバランスを崩しやすいことに変わりはないが、カナディアンの方が重心が高くなる分、より不安定さが増す。

 選手たちは強靱(きょうじん)な体幹(腹筋や背筋や股関節周辺の筋肉など)を駆使してバランスを取る。羽根田の腹筋も見事な「シックスパック」。特に発達しているのが腹斜筋だ。

 東京五輪の会場となる「スラロームセンター」(東京都江戸川区)は、国内初の人工コース。

 毎秒12トンの水を放出するポンプと、コースに設置されたブロックにより、様々な水の流れを作り出す。ひとたびバランスを崩せば、カヌーごとひっくり返ってしまうほどの激流だ。

 その流れを読み、鍛え上げた腹筋・背筋、バランス感覚でカヌーを操作する選手たちに注目してほしい。