第12回「トランプが駆り立てた」戦うため男性は首都へ向かった

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ワシントン=園田耕司
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トランプの反乱⑫ 議事堂襲撃事件の真相 デザイン・田中和
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 前代未聞の議事堂襲撃事件で逮捕された人たちはいま、何を思っているのか。そのうちの一人が、取材に応じた。

 黒いカウボーイハットをかぶり、無精ひげを生やし、首元には黒ネクタイを締め、白いTシャツの胸に「C4T」の文字――。米南部ニューメキシコ州オテロ郡の郡政委員、クオイ・グリフィンは熱烈なトランプ支持者だ。「トランプのためのカウボーイズ(C4T)」という支持団体の創設者でもある。

今年1月6日、数千人のトランプ氏の支持者たちが暴徒と化して米議会議事堂を襲撃した歴史的事件の背景に迫る連載です。襲撃事件で逮捕されたトランプ支持者の数は500人以上にのぼりました。トランプ氏と親しい交流があり、事件でも逮捕された人物が、トランプ氏の呼びかけに応じて駆けつけた思いを吐露します。

 グリフィンは1月17日、議事堂襲撃事件が起きた際に議事堂に不法侵入した疑いで逮捕された。3週間収監されたのちに釈放。現在は裁判を待つ身だ。ほかの郡政委員から辞職要求を突きつけられているが、拒み続けている。

 司法省の発表した宣誓供述書によれば、グリフィンは1月6日、他のメンバーと一緒に首都ワシントンで行われた抗議集会に参加したのち、議事堂の立ち入り禁止区域に侵入した。事件後、グリフィンは地元に戻ったのち、同14日のオテロ郡政委員会の会合に出席した。襲撃事件での自分の経験を話したうえで、20日に予定されているバイデンの大統領就任式に抗議するため、ライフル銃と回転式銃を積んだ自分の車を運転して再びワシントンに向かう、と語っていたという。

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朝日新聞記者のオンライン取材に応じるトランプ支持団体「トランプのためのカウボーイズ」創設者のクオイ・グリフィン

 逮捕の決め手となったのは皮肉にもグリフィン自身がフェイスブックに投稿した動画だった。グリフィンは、立ち入り禁止区域の議事堂西側正面のバルコニー席にいた。グリフィンは当時、現場でメディア取材にも応じており、「我々はどこにも行かない! 我々の要求に対して『NO』という答えは受け入れない!」などとしゃべっていた。

 グリフィンは、自身の逮捕容疑について「私はバルコニー席にいただけだ。私は決して建物の中に入っていない」と語り、逮捕は不当だと訴える。さらに「議事堂の建物内では多くの衝突が起きていたのだと思う。でも、私がいた場所では暴力はなかったし、カオス(混沌(こんとん))でもなかった」と語る。

 ただし、グリフィンは事件後、フェイスブックに次のように語る演説動画を投稿している。

 「我々は(銃所持の権利を認めた)合衆国憲法修正第2条の集会を昨日と同じ場所で行うことができる。もし我々がそうすれば、あの建物では血が流れて、悲しい日になるだろう」

 グリフィンの発言は、議事堂での武装蜂起を示唆したと受け止められた。

 グリフィンが事件現場に居合わせた動機は何か。

果たして、グリフィン氏の動機とは何か。そして、今トランプ氏への思いとは。記事後半では、グリフィン氏の経歴を紹介するとともに、トランプ氏との交流の様子を伝えます。

 グリフィンはこの問いに、「…

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