競歩はママチャリより速い 市民ランナー憧れのタイム、歩いて達成

陸上

酒瀬川亮介
[PR]

 お尻をふりふり、体をくねらせながら独特のフォームで歩く競歩。大会が少なく、身近な競技ではないため、直接見る機会はあまりないが、生で見ると、トップ選手の速さには驚く。

 男子20キロ競歩の世界記録は、鈴木雄介(富士通)が2015年につくった1時間16分36秒。タイムだけを見てもピンとこないかもしれないが、1キロ4分を切るペースで歩いている。不動産広告でよく見る「徒歩○分」は1分80メートルで計算する。1キロで換算すると12・5分なので、普通の大人の3倍以上の速さだ。

 これを平均時速に直すと15・7キロとなる。一般の自転車、いわゆる「ママチャリ」を大人が普通にこいだときが時速14キロ前後と言われており、ママチャリを追い抜く速さで歩いている。

 もちろん、これは平均速度の話。レース中の駆け引きでスパートしたときは、もっと速い。今年2月の日本選手権20キロ競歩で優勝した山西利和愛知製鋼)が12キロからペースを上げたときは、12~13キロが3分45秒で時速16キロに達した。

 「もう一段速いスパートも用意していた」と後に話していた山西。今回の東京オリンピック(五輪)に出場するホープはさらに高いスピードを備えている。

 マラソンより長い男子50キロ競歩だとどうだろうか。

 14年にヨアン・ディニ(仏)がつくった世界記録は3時間32分33秒。平均時速は20キロ競歩の世界記録よりは遅いが、それでも14・1キロある。マラソンの距離である42・195キロに換算すると2時間59分23秒になる。

 市民ランナーの目標である「サブスリー」、つまり3時間切りを、歩いて達成していることになる。(酒瀬川亮介)