韓国の文大統領、五輪での訪日中止 会談成果「不十分」

ソウル=神谷毅
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 韓国大統領府の朴洙賢(パクスヒョン)・国民疎通首席は19日、文在寅(ムンジェイン)大統領が東京五輪に合わせた訪日をしないと決めたと発表した。開幕式には黄熙(ファンヒ)・文化体育観光相が参加する予定だという。

 文氏の訪日をめぐっては、日韓両政府が協議を続けてきた。朴氏は「両国間で歴史問題の懸案をめぐり進展があり、未来志向の協力について意味のある協議が行われた」と指摘。しかし、「首脳会談の成果とするには不十分で、それ以外の状況も総合的に考慮して決めた」と語った。そのうえで「東京五輪は世界の人々の平和の祭典であり、日本が五輪を安全に成功させることを望む」と語った。

 協議のなかで韓国側は文氏訪日の条件として、菅義偉首相との首脳会談を要請していた。また、韓国メディアとの懇談で、不適切な発言をした在韓国日本大使館の相馬弘尚総括公使の更迭も求めていた。

 韓国大統領府の関係者は歴史問題について「全体で少しずつ前進があった」と指摘。首脳会談については「良い機会で期待をしていたが残念だ。(来年5月の)任期末まで対話の努力を続けたい」と語った。相馬氏の発言については「許しがたい発言。韓国の国民の気持ちを考えねばならず、発言の後、大統領府の雰囲気も(首脳会談に)懐疑的に変わった」と述べ、日本政府に適切な対応を迅速に取るように求めた。

 2018年の平昌冬季五輪では、訪韓した安倍晋三首相(当時)と文氏が1時間ほど会談した。このため韓国側はほぼ同様の対応を望み、難しい場合でも五輪に訪日予定のマクロン仏大統領と待遇に差をつけないよう念を押していた。(ソウル=神谷毅)