計量が2回に増量 新ルールで変わるレスリング減量戦略

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金子智彦
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 体重計に乗り、数字が出るまでに数秒。レスリングの選手ははっと息をのむ。そしてその数値が出ると、今度は一喜一憂。試合が近づくにつれ、その度合いは高まっていく。

 規定の重さをオーバーすれば、即失格となるのが、体重別、階級制競技の宿命だ。しかも、東京オリンピック(五輪)から新ルールが導入された。試合が2日間に及び、両日とも朝に計量をパスしなければならない。今まで以上に体に過度な負担がかからない減量戦略を練る必要性が高まる。

 「(最後の50グラムが)極限の状態で、落ち切らなかった」。4月、2016年リオデジャネイロ五輪男子フリースタイル57キロ級銀メダリスト、樋口黎(ミキハウス)が計量失格した。東京五輪の出場権がかかるアジア予選でのことだった。20日前で6キロオーバーだった体重が落ちなかった。

 樋口は減量苦から一時、65キロ級に階級を上げたことすらある。6月の代表決定プレーオフも減量で万全の状態とはほど遠く、高橋侑希(山梨学院大職)に負けた。「あと5センチ身長が小さければ……」。そう絞り出した。

 体重が重いほど筋肉量は多く、筋力は上がる。だから、選手は減量で筋肉以外を一時的に絞りたがる。ただ、無理な減量をめぐっては1997年、米国の高校生3人が死亡した悲劇も起きている。試合前に水分摂取を控えるなどの「水抜き」による減量で、熱射病や脱水による高体温で死亡したという。

 それまでの前日計量の場合、リカバリーに半日以上取れるので、短期間で大幅な減量を行っても多量の食事や水分摂取で体力を回復させることができた。60キロ級に実質70キロ級の選手が出ることも珍しくなかった。

どうしたら筋力を落とさず、減量できるか。科学的な知見に頼りながら、レスラーたちは最良を模索しています。

 日本レスリング協会スポーツ…

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