「建国の父」の命日 娘のスーチー氏は参列許されず

バンコク=福山亜希
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 ミャンマーは19日、「建国の父」で、アウンサンスーチー氏の父親のアウンサン将軍の命日を迎えた。最大都市ヤンゴンで追悼式典が開かれたが、国軍によるクーデターで拘束されたスーチー氏は参列を許されなかった。国軍は一方で、自らを正当化するためにアウンサン将軍の「威光」を利用しようとしている。

 式典は、1947年に暗殺されたアウンサン将軍をまつる「アウンサン廟(びょう)」で開かれ、国軍幹部らが参列したが、ミンアウンフライン最高司令官の姿はなかった。例年はスーチー氏も出席し、大勢の市民でにぎわう。だが今回、国軍側は新型コロナウイルスの感染予防を理由に17~25日を休日とし、外出自粛を要請。アウンサン廟は開放したものの、花や携帯電話の持ち込みを禁じ、警備を強化して厳戒態勢を敷いた。

 SNSには「スーチー氏は出席さえ許されず、痛ましい」「どうして家族であるスーチー氏が出席できないのか」「国軍はアウンサン将軍に敬意を払わず、ただ式典に出席した」などと反発の声が上がった。

 一方で国軍側は国営紙に連日、アウンサン将軍の演説を抜粋して掲載。「全ての国民は一致団結して規律を守らなければならない」「軍事力、強力な武器、弾薬、政治的影響力、繁栄を手にすることは極めて重要だ」といった言葉を載せ、時代背景や文脈を無視して国軍による支配の正当化につなげようとしている。(バンコク=福山亜希)