正恩氏、軍幹部を大規模降格 統治力誇示、一方で焦りも

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ソウル=神谷毅
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 北朝鮮で6月末にあった朝鮮労働党の政治局拡大会議で、解任や降格されたのが複数の軍首脳だったことが明らかになってきた。金正恩(キムジョンウン)総書記が異例の人事に踏み切った背景には、新型コロナウイルスの防疫対策や食糧不足といった事情に加え、軍をコントロールしていることを内外に示す狙いがありそうだ。

 正恩氏は政治局拡大会議で、新型コロナの非常防疫対策で幹部に怠慢があったと非難し、「国家と人民の安全に大きな危機をもたらす重大な事件を発生させた」と述べた。

 その後に北朝鮮メディアが報じた写真や映像、韓国の情報機関、国家情報院の分析によると、正恩氏を除く軍の序列1位で核・ミサイル開発を担当する李炳哲(リビョンチョル)氏が最高指導部の党政治局常務委員から外され、軍需工業相に降格された模様だ。軍の序列2位の朴正天(パクジョンチョン)軍総参謀長も元帥から次帥に降格。国防相は社会安全相だった李永吉(リヨンギル)氏に交代させたとみられる。

 軍首脳を一度にこれだけ代えるのは異例で、「重大事件」は軍を舞台に起きた可能性が高い。北朝鮮新型コロナ流入を防ぐため中朝国境の封鎖を続けているが、必要な物資を中国から搬入するため国境沿いにある義州の軍飛行場に防疫施設を造っていた。国情院は「北朝鮮は4月から施設を貨物運送の拠点にしようとしていたが、稼働が何度も延期となり人事につながった」と分析する。

 正恩氏は6月中旬の党中央委…

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