「娘が拉致された」 アフガンがパキスタンから大使召還

バンコク=乗京真知
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 アフガニスタン外務省は18日、隣国パキスタンに駐在するアフガン大使らを本国に召還すると発表した。「16日にアフガン大使の娘が一時拉致される事件が起きた」と主張しており、外交団やその家族の安全が確保できないと判断した模様だ。一方、パキスタン内務相は「(娘に起きたことは)拉致ではない」との見方を示し、見解が食い違っている。

 アフガン外務省は18日付の声明で「(拉致の犯人の)逮捕や裁判が行われるまで、大使や上級の外交官たちを呼び戻した」とした。

 アフガン外務省などによると、大使の娘は16日、パキスタンの首都イスラマバードで買い物をした後、タクシーに乗った。数分後、タクシーに不審な男が乗り込んできて、「お前の父親は共産主義者だ」と言いながら暴行。気絶した娘は、手足を縛られて野外に放置され、数時間後に意識を取り戻したという。

 パキスタンのカーン首相は事件後、パキスタン内務相などに徹底捜査を指示した。パキスタン内務相は18日、地元テレビの取材に、捜査結果と娘の証言にズレがあると指摘し、「拉致ではない」「(パキスタンと対立する)インド情報機関の陰謀だ」と語った。

 パキスタン国境線の確定などをめぐって、東隣インドや西隣アフガニスタンと対立している。パキスタンの情報機関に対し、インドとアフガニスタンの情報機関が対抗する、工作活動の応酬が続いている。事件捜査に政治的な思惑が入り込み、真相解明の足かせとなることが少なくない。(バンコク=乗京真知