北海道太平洋沿岸の津波、最大9万ヘクタールの浸水想定

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角拓哉
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 北海道は19日、千島海溝・日本海溝沿いの巨大地震に伴う津波の浸水想定を公表した。対象は太平洋沿岸の37市町。東部を中心に9市町で最大20メートル以上の津波が襲い、37市町の最大浸水面積は計9万1千ヘクタールになる可能性がある。道は、今回の想定結果に基づいたハザードマップの作成を自治体側に求めていく。

 内閣府の有識者検討会は昨年4月、日本海溝でマグニチュード(M)9・1、千島海溝でM9・3の地震が発生した場合の最大津波の推計結果を公表。過去の巨大津波が300~400年間隔で発生し、前回から同程度の期間が経っているとして、「(両海溝は)最大クラスの津波の発生が切迫している状況にある」と指摘した。

 北海道は2012年に独自の想定を出していたが、内閣府の推計結果を受け改めてシミュレーションした。震源として千島海溝沿い3カ所、日本海溝沿い2カ所の5パターンを検討。南部の福島町や知内(しりうち)町などは、日本海で発生する地震の影響も含めて最大クラスの津波を推計した。

 千島海溝モデルでは、えりも町以東の海岸線で9市町の最大津波水位が20メートルを越えると予想。最高は釧路町の26・5メートルで、えりも町26メートル、広尾町25・4メートルなどと続く。

 日本海溝モデルでは、日高町の16・3メートルが最も高かった。福島町の最大津波水位は日本海の地震(日本海モデル)に伴う11・6メートル。

 高さ20~30センチ程度の津波でも速い流れに巻き込まれる可能性があることから、地震発生直後の水位からプラス・マイナスで20センチ変動する「影響開始時間」も示した。マイナスの場合、津波が引き波から始まることを示す。プラスは、羅臼町浜中町、厚岸(あっけし)町、えりも町、知内町、福島町で1分。釧路町、様似(さまに)町、函館市で2分、広尾町、浦河町で4分だった。マイナスになるのは、室蘭市白老町など胆振(いぶり)地方を中心に23市町。

 最大津波到達時間を人口が多い順にみると、函館市26分、苫小牧市40分、釧路市(音別地区を除く)28分など。

 津波による浸水面積は今回初めて公表した。深さ1センチ以上の水が陸地に押し寄せる面積は沿岸部の37市町で9万1千ヘクタールに及び、6市町で5千ヘクタール以上の被害が出ると予想された。最も広いのは苫小牧市1万224ヘクタール。釧路市(音別地区を除く)6945ヘクタール、別海町5232ヘクタール、浦幌町5183ヘクタールなどが続く。

 津波の浸水想定を検討した北海道のワーキンググループで座長を務めた北海道大学大学院理学研究院の谷岡勇市郎教授(地震学)に話を聞いた。

 新たな津波浸水想定は前回(…

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