アクアとヤリス、トヨタ小型2車種の「似て非なる」戦略

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三浦惇平、千葉卓朗
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トヨタ自動車が発売した新型アクア=同社提供
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 トヨタ自動車が、新型「アクア」を発売した。2011年の発売以来、大ヒットした小型ハイブリッド車(HV)を10年ぶりにフルモデルチェンジ。低価格、低燃費で使い勝手がよい小型車の「王道」を狙う。しかし今、小型車市場を席巻するのはトヨタが昨年発売した「ヤリス」だ。2種類の主力小型車は、共存していけるのか。

国内の小型車市は環境が激変

 11年の誕生以来、アクアの最大の特徴は低燃費と低価格だ。発売当時、HV専用の小型車はまだ普及しておらず、ガソリン1リットルあたり27・2キロ(国際的な測定方法のWLTCモード)の燃費は、驚異的な性能だった。価格は200万円を切り、小型車の相場といえる100万円台を実現。誰もが運転しやすい「ジャストサイズ」だったことも支持され、発売直後から人気が急上昇。12年度の国内販売台数は兄貴分のHV「プリウス」を抜き、首位に立った。16年2月にはトヨタ車として最速の約4年3カ月で国内販売100万台を突破。トヨタはアクアを「国民車」と位置づけるようになった。

 しかし発売から10年間で、国内の小型車市場は徐々に縮小。かつて新車販売台数の約40%を占めたが、20年は約25%にまで減った。小型車よりも小さく価格が安い軽乗用車や、車内空間が広いスポーツ用多目的車(SUV)の人気が高まったことが大きな要因だ。自動車販売関係者の間で「アクアはモデルチェンジしないのではないか」といった臆測が出たこともある。

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新型アクアと開発担当の鈴木啓友・チーフエンジニア=2021年7月16日午後4時58分、愛知県豊田市

「本当に買いたい装備を搭載。圧倒的に安い」

 こうした中で登場した新型アクアは、大ヒットした初代を引き継ぎつつ、最新技術を詰め込んだ「圧倒的なお得感」を狙う。燃費は小型車では世界トップクラスのガソリン1リットルあたり35・8キロ(WLTC)で、初代より約2割向上。グループ企業の豊田自動織機と共同開発したニッケル水素電池は小型かつ高出力を実現し、出力は約2倍にパワーアップした。これにより、低速からの加速がスムーズで「上質感」のある走りが実現したという。

 幅広い年齢層が使うことを想…

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