不審アクセス5年で約4倍、サイバー対策強化 警察白書

田内康介
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 警察庁は20日、2021年版の警察白書を公表した。社会のデジタル化の進展をふまえ、「サイバー空間の安全の確保」を特集。サイバー犯罪サイバー攻撃の巧妙化で「脅威は極めて深刻な情勢だ」と指摘し、対策については「警察がこれまで以上に中心的役割を果たす」と表明した。

 白書によると、不正アクセスなどのサイバー犯罪の摘発件数は年々増加し、昨年は9875件に上った。また、サイバー攻撃の予兆・実態を把握するための警察庁の検知システムでは昨年、不審なアクセスを1日平均6506件観測した。5年間で4倍近くに増えている。

 白書では、サイバー犯罪の犯人を追跡する捜査での課題を、警察庁が都道府県警に聞き取った調査結果として紹介している。「通信匿名化技術等の悪用」が37%で最も多く、「海外サービスの悪用」(30%)、「通信履歴等の保存期間の経過」(27%)などが続いた。

 また、政府機関や重要インフラ事業者へのサイバー攻撃が激しさを増しているとも指摘。宇宙航空研究開発機構(JAXA)などを狙った攻撃に絡んで、警視庁中国共産党員の男を摘発した事件を取り上げ、中国軍部隊が関与した可能性が高いとして「国家レベルの関与を明らかにした事案」と明記した。

 白書はほかに、東日本大震災の教訓を生かした災害対策や新型コロナウイルスをめぐる取り組みなどを特集した。冊子は税込み1650円で市販される。電子版は警察庁のウェブサイトから無料でダウンロードできる。(田内康介)