小山田さんをなぜ起用した 障害者団体「真摯な説明を」

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井上充昌
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 過去に障害者らをいじめていた経験をインタビューで語っていた問題を受け、ミュージシャンの小山田圭吾さんが東京五輪の開会式の作曲担当を辞任した。小山田さんや大会組織委員会に対する、障害者団体や当事者からの抗議はやまず、小山田さんから直接事情説明を求める声も上がっている。

 「何やっているんだ、というのが率直な思い」。知的障害者やその家族らでつくる一般社団法人「全国手をつなぐ育成会連合会」の又村あおい事務局長は、組織委が小山田さんの続投を強調してから一転、辞任に至ったことにため息をついた。「なぜ考えが変わったのか、小山田さんに説明してほしい」と訴える。

 同会は18日、この問題についてホームページで声明を発表した。「いじめというよりは虐待、あるいは暴行と呼ぶべき所業。許されるものではない。(成人後に)面白おかしく公表する必要性はなかったはず。極めて露悪的」と指摘。小山田さんと、作曲を依頼した大会組織委員会に詳しい説明を求めていた。

 又村事務局長によると、同会が声明を出した18日から19日夜までの間にメールや電話が約100通届いた。9割近くは声明への評価で、「もっと踏み込んだ表現にすべきだ」との意見もあった。又村事務局長は「小山田さんが辞めることを求めていたわけではないが、なぜ引き受けたのか、組織委はなぜ起用したのか、当初からの疑問が解消されない。真摯(しんし)な説明が必要だ」と話す。

何年経っても被害者は心に傷

 障害者が働く事業所などの全国団体「きょうされん」の赤松英知・常務理事は「辞任は当然のこと。許すことのできない行為だ。たとえ何年経っていても、被害者には心の傷が残っているはず」と怒りが収まらない。今回の騒動で障害者に不安を広げたとして、「(小山田さんは)辞任について短いコメントを出すだけではなく、過去の行為や組織委からオファーを受けた理由などを説明してほしい」と求める。また今回の問題は「小山田さん1人の問題というより、社会の中にある障害者への差別や優生思想につながっている」と指摘。「自分とは違う特性のある人への無理解な社会から、私たちは決別すべきだ」と訴える。

「小山田さんの音楽好きだったのに」

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