シベリア抑留の証言もとに児童書 札幌の市民団体制作へ

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奈良山雅俊
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 終戦直後にシベリアへ強制連行され、過酷な労働を強いられた現役漁師の証言をもとにした児童書がつくられる。戦争の理不尽さを若い世代に紡ぐため、札幌市の市民団体「シベリア抑留体験を語る会札幌」会長の建部奈津子さんが企画した。制作費を募るクラウドファンディング(CF)がスタートした。

 「語る会」は戦後70年の2015年2月に発足。札幌を中心に、「生き証人」でもある抑留体験者を招いた講演会やコミュニティーFMを通じこの問題を発信してきた。

 「語り部」として登録する抑留体験者は現在8人(94~98歳)。発足時から6人が他界した。昨年は7人の語り部が映像で語るDVD「Дoмой(ダモイ) 祖国へ」を作成した。DVDは道内の高校276校や図書館などに無料で配った。

 今回、「歴史を風化させないためにも道内にこだわらず、さらに若い世代へ」と、子どもにも分かりやすい児童書を制作し、全国の図書館に寄贈することを思いついた。難しい用語もあるため、すべてにふりがなをつける。

 タイトルは「シベリア抑留記 黒パンと交換した腕時計」。「最北の語り部」として、いまも北海道の利尻島で漁師を続ける吉田欽哉さん(95)の体験を写真や挿絵を交えてつづる。

 「酷寒」「飢餓」「重労働」…

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