台湾、リトアニアに窓口事務所を開設へ 中国の反発必至

台北=石田耕一郎
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 台湾の呉釗燮(ウーチャオシエ)・外交部長(外相)は20日、正式な外交関係がないバルト3国のリトアニアに、大使館に相当する窓口事務所「台湾代表処」を今秋にも開設すると発表した。欧州で台湾の名前を冠した事務所の開設は初めてという。リトアニアは中国と国交があり、中国は開設の動きに反発している。

 外交部によると、リトアニア側はすでに台湾への貿易事務所の設置を発表しており、台湾は日米などと同様に、双方の事務所経由で政治や経済などの関係強化をめざす。台湾は独仏などにも事務所を置いているが、相手国が中国に配慮するなどの理由で、事務所名には地名の「台北」を使うケースが多い。

 リトアニアは1991年にソ連から独立を回復し、中国と国交を結んだ。欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)の一員で、昨年に保守・中道右派の連立政権が誕生後は、「価値観外交」を強調。今年5月に議会が、中国のウイグル族への対応を非難する決議を採択し、政府も多国間の対中経済協力の枠組みから離脱することを表明していた。

 台湾は中国と距離を置く蔡英文(ツァイインウェン)政権が2016年に発足後、外交関係を維持する国が22カ国から15カ国に減少している。今年2月には南米のガイアナと代表事務所の設置でいったん合意したが、「中国の圧力」(台湾外交部)でガイアナ側から破棄されていた。

 中国政府で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は20日、「国交を結ぶ国と台湾が公的関係を発展させることに反対する。リトアニアが『一つの中国』の原則を遵守し、台湾独立勢力に誤ったサインを送らないように求める」などと牽制(けんせい)した。(台北=石田耕一郎)