GoToトラベル開始1年、遠い再開 予算は半分未執行

有料会員記事

初見翔
[PR]

 政府の観光支援策「Go To トラベル」事業が始まって22日で1年がたつ。新型コロナウイルスの感染拡大で昨年末に全国一律で停止され、予算の半分ほどが残ったままだ。観光業界からは再開を求める声が強いが、感染が収まる兆しはなく、再開のめどは立っていない。

 東京都での4度目の緊急事態宣言を翌日に控えた7月11日。栃木県日光市の観光名所、日光東照宮は日曜日にもかかわらず、閑散としていた。

 「1年半もコロナ禍が続くと思っていなかった。この夏は期待していただけに、緊急事態宣言は大打撃だ」

 東照宮近くの旅館「懐かし家 風和里」を経営する赤沢正・日光温泉旅館協同組合理事長はそう嘆く。

 夏の観光シーズンに向け、ワクチン接種の進展や東京五輪の開催などで高まっていた期待も崩れ去った。宣言がお盆期間を含む8月22日まで続くことになり、修学旅行などの予約もほぼ全てキャンセルになったからだ。借金でなんとか経営を維持してきたが、コロナ前の水準まで客足が戻っても返せるかわからない額に膨らんでいるという。

 それだけに、日光市観光協会の福田栄仁事務局長は「感染収束が前提だが、『Go To トラベル』の再開への期待は非常に大きい。反対する人は(周囲に)誰もいない」と話す。

 官房長官時代から菅義偉首相が旗を振ってきたトラベル事業は、1人1泊2万円を上限に、旅行代金の半額を政府が補助する仕組みで、実施されていた昨年7~12月で延べ8781万人(速報値)が利用。最初の緊急事態宣言が出されていた20年5月に19年同月に比べ約8割減まで落ち込んだ日本人の延べ宿泊者数が、11月には約1割減まで回復したほどだった。

 ところが、感染の再拡大で12月下旬には全国一律で停止となったことで、宿泊者数も今年1月以降は35~50%減へと逆戻り。約2兆7千億円の予算のうち、半分弱の1兆3千億円ほどが残っている状況だ。

 赤羽一嘉国交相は20日の記者会見で、これまでに意見交換した全国の観光地から「あれ(GoTo)がなければ本当に大変な厳しい状況であったという声、だからこそ早期に再開していただきたいという声が非常に多く上がっている」と強調した。しかし、感染が落ち着くことが再開の前提だとして、具体的な再開時期には言及しなかった。

総選挙を見据え、与党から再開論も

 再開のめどが立たない中、政…

この記事は有料会員記事です。残り595文字有料会員になると続きをお読みいただけます。