7歳でプロ スケボー界の絶対王者が祖母の国で目指す金

スケートボード

岩佐友
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スケートボード男子 ナイジャ・ヒューストン(アメリカ)

 6月、470万人のフォロワーがいる自身のインスタグラムに全身のタトゥーを投稿した。首、両腕、両足、そして尻まで。技だけでなく、見た目でも強いインパクトを与える。それがスケートボード界で「絶対王者」と呼ばれる男ナイジャ・ヒューストン(26)の生き方だ。

 生まれは米・カリフォルニア州。5歳でスケートボードを始め、跳び上がりながら空中でボードを回転させる「キックフリップ」をすぐに習得した。最初のスポンサーがついたのは7歳。11歳で世界最高峰の「Xゲーム」に出場した。

 試練が訪れたのはその2年後だった。父とともにプエルトリコへ移住することに。農場で生活を送り、競技からは一時離れることになった。

 その後、母親が暮らす故郷へ戻り、そこから快進撃が始まる。15歳で出たプロツアー「ストリートリーグ」で優勝。賞金15万ドル(約1650万円)を獲得し、家族の生活を安定させた。

 「ハンドレール(手すり)マスター」と呼ばれるほど手すりを使ったトリックの評価が高い。世界選手権を4度、Xゲームを12度制覇する圧倒的な実力はもちろん、慈善活動にも力を入れ、世界中に影響を及ぼす選手となった。

 6月の世界選手権では堀米雄斗(22)=XFLAG=に敗れるなど、近年は若手の追い上げにあっている26歳。それでも、日本代表の早川大輔コーチは「どんなコースでも難しいトリックを成功させる。試合をコントロールする力があり、王者の風格は変わらない」と評する。

 祖母が日本人で、子どもの頃から和食が大好物だという。「ゆかりのある地で開催されるので、とても興奮している」と、スケートボードが初めて正式種目となる東京五輪への思いは強い。金メダルは「人生の究極の目標の一つ」。初代王者という新たな勲章を勝ち取りに行く。(岩佐友)