5歳児の教育プログラム 文科省が作成へ 慎重論も

有料記事

伊藤和行
[PR]

 幼児期から小学校への移行をスムーズにするため、文部科学省は5歳児向けの教育プログラムを作ることを決めた。今年度中にまとめ、来年度から一部地域の幼稚園や保育園などでモデル事業を試行する。内容を検討する中央教育審議会の特別委員会が20日あり、行きすぎた早期教育にならないよう求める意見も出た。

 幼児教育・保育は2019年10月に無償化されており、共通のプログラムにより、すべての5歳児に一定程度の学びの質を保障する狙いがある。小学校入学後に集団生活になじめなかったり先生の言うことが理解できなかったりする「小1問題」の解消も図る。

 この日の特別委では、幼児期に重要な学びを「五感を通じた体験」「遊び」などと示した。特に5歳児の遊びの例として、植物をすりつぶして作った色水を混ぜたり、砂場で穴の深さを調節しながら水路を掘ったりすることを挙げたほか、タブレット端末で撮った写真を使った物語作りも示した。担当者は「遊びの中で考え、経験を生かし、友達と協力しながら学ぶ。一人ひとりの特性に応じた指導が大切」と述べた。

 国はこれまで、17年告示の…

この記事は有料記事です。残り339文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    おおたとしまさ
    (教育ジャーナリスト)
    2021年7月21日10時48分 投稿
    【視点】

    「幼児期から小学校への移行をスムーズにする」という目的はいいだろう。 そのために幼児教育・保育の参考になるガイドラインを策定するというのもわからなくはない。 でもだとしたら、同時に、小学校での教育のあり方も見直すのが筋であるはずだ。

  • commentatorHeader
    田渕紫織
    (朝日新聞社会部記者=子ども、メディア)
    2021年7月21日10時33分 投稿
    【視点】

    狭い意味での「早期教育」ではなく、一定程度の「遊び」の質を保障する取り組みは世界的な潮流で、ぜひ進んでほしいです。 そのための本丸は「幼保一元化」ではないでしょうか。 先日の「こども庁」検討の際にも結局先送りされたようですが、少子化がす