山形を俯瞰したら…狩野永徳に影響を受けた作家の作品展

辻岡大助
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 山形市天童市などの街を空から俯瞰(ふかん)した絵画展「藤原泰佑展」が村山市の最上徳内記念館で開かれている。寺社や高層ビル、飲食店の看板が実際の街並みの縮尺にとらわれずに強調され、背景に出羽三山が描かれた都市の絵も。不思議な鳥瞰(ちょうかん)図となった、そのわけは――。

 高さ1385ミリ、幅2900ミリと、今回の展覧会で最も大きな寸法の「山形市街図」は、寺社を巨大に描き、とんかつ店やラーメン店の看板を目立たせた作品。民家やオフィスビルなどを繊細な筆遣いで密集させ、背景の山々や近郊の里山も描いている。

 そのほか、所々に大きな将棋の駒を紛れ込ませた「天童市街図」やこま犬が際立つ「寒河江八幡宮図」、浅草寺より巨大な西郷隆盛像やゴジラが後方に垣間見える「大東京絵図」など、見ていて楽しくなる計10点が出展されている。

 画家の藤原泰佑さん(33)は東北芸術工科大学大学院(山形市)を卒業した後、県内を拠点に活動。2013年にシェル美術賞審査員賞を受け、東京や出身地の群馬県で個展を開いている。

 安土桃山期の狩野永徳作「洛中洛外図屛風(びょうぶ)」や大正・昭和期に名所案内を鳥瞰図で描いた吉田初三郎の作品に影響を受けたという藤原さん。近年は、一つの都市をテーマにした細密な鳥瞰図をアクリルや顔料、金箔(きんぱく)を使って描いている。最上徳内記念館の担当者はその画風を「新・鳥瞰図」と評する。

 展覧会のサブタイトル「mapping(マッピング)」には地図作製のほかに、異なるデータ同士を関連づける意味もある。都市に林立する建物や看板が絡み合い、それぞれが対応しながら街の現在を映し出すという。藤原さんは取材に「人が住む街、里山の農村、月山や羽黒山などの自然が混在し、バランスをとりながら発展している山形の風景のイメージも絵に投影しました」と話している。

 水曜休館。7月27日まで。入館料大人300円、高校生以下無料。(辻岡大助)