車検「2時間」守るため不正常態化…本末転倒のトヨタ式

有料会員記事

千葉卓朗
[PR]

 トヨタ自動車の販売店で、不正車検が再び発覚した。早く検査を終わらせるために、法定の検査の一部を不正に省いていた。遠因は、トヨタの基本思想である「トヨタ生産方式」(TPS)の形骸化だ。作業のムダを省いて時間を短くするはずが、時間を守るために作業を省く本末転倒の結果を招いていた。

 販売店を運営するトヨタモビリティ東京によると、不正車検が見つかった「レクサス高輪」では、車検の納期を「客が店内で待てる時間」として、2時間に設定していた。しかし、法人顧客が多く、売り上げも伸びていた同店は、社員の負担も恒常的に多くなっていたという。車検は本来、車種や走行距離によって作業時間を1台ごとに変える必要があるが、業務が多い中で2時間という時間を守ることが優先された。このため検査を省く不正行為が常態化していった。

 トヨタモビリティ東京の関島誠一社長はこの日のオンライン会見で、「時間が目的になっていた」と述べ、陳謝した。

 車検不正は3月、トヨタが本…

この記事は有料会員記事です。残り672文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
  • commentatorHeader
    小室淑恵
    (株式会社ワーク・ライフバランス社長)
    2021年7月22日18時10分 投稿

    【視点】失敗する働き方改革とよく似ている。「残業を減らせ」「上から言われているから減らせ」「数字は必達」。こうした軍隊式マネジメントのもとでは、タイムカードを切ってから再び働く、仕事を持ち帰るなどの隠れ残業が増え、疲弊して仕事の質は落ち、倫理観に反

  • commentatorHeader
    福田直之
    (朝日新聞記者=産業、テック、中国)
    2021年7月21日23時12分 投稿

    【提案】 車検は検査対象の自動車が安全に走ることができるか、環境に悪影響を与えないかを定期的に調べる大切な検査です。適正な車検をすれば事故を防ぐこともできます。車検切れには罰則もあります。販売店がいいかげんな検査をし、時間と利益を優先していたとなれ