だまされたふりで1万円 適用第1号は逮捕につながる

高絢実
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 愛知県内で相次ぐ特殊詐欺を撲滅しようと、特殊詐欺犯の検挙に貢献した人に報奨金が支払われる「特殊詐欺捜査協力報奨金制度」が今月から始まった。県警によると、都道府県単位での特殊詐欺捜査協力に関する報奨金制度は全国で初めてという。

 特殊詐欺の電話がかかってきた際に犯人にだまされたふりをして警察の捜査に協力する「だまされたふり作戦」か、有力な情報提供で犯人検挙に協力した人に1万円の報奨金が支払われるという。

 県コンビニエンスストア防犯対策協議会、県金融機関防犯対策協議会、県警備業協会、生命保険協会県協会が結成した「県特殊詐欺撲滅プロジェクトチーム」が、県警が打診する検挙事案などについて、報奨金の支払いに該当するかどうかを判断する。

 制度を周知するためのポスターも作製され、県内在住の漫画家火野(ひの)蓮時(れんじ)さんが手がけた。県内のコンビニや金融機関に掲示される。県コンビニエンスストア防犯対策協議会の秋元雄一郎会長は「特殊詐欺撲滅の機運を高め、一人でも多くの被害者を救っていければいい」と話す。

 県警の岸本一也生活安全部長は「なかなか被害の発生がやまない。詐欺の電話がかかってきたら制度を思い出してもらい、未然に被害を防ぐのが狙い」と説明した。

 制度は1日に始まり、すでに小牧署管内で発生した特殊詐欺にだまされたふり作戦で協力した高齢夫婦に対し、制度が適用された。息子をかたって「カバンを忘れた」などと電話をかけ、金をだまし取ろうとした犯人の逮捕に協力したという。

 県内の郵便局や金融機関でも1日から一斉啓発活動を開始。随時、啓発動画の放映や、ATM付近で啓発ポスターを掲示するなどしている。

 県警によると、県内では今年に入り、6月末現在で436件、約6億6800万円の特殊詐欺被害が発生(暫定値)。前年の同期と比べて78件増えているという。(高絢実)