1964→2021 五輪に時重ねたワイン、お値段は?

永沼仁
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 57年を経た「ゴールド」な一杯を――。前回の東京五輪が開かれた1964年に醸造されたワインを、山梨県甲州市の「まるき葡萄酒(ぶどうしゅ)」が発売する。今回の東京五輪に合わせ、倉庫に眠る白ワインを瓶に詰めた。前回五輪にちなみ販売を始めた「オリンピアン」と名付けたワインのラベルも復刻し、限定品として販売を始める。

 まるき葡萄酒は、日本人として初めてフランスで醸造技術を習得した土屋龍憲が1891(明治24)年に設立した「マルキ葡萄酒」を継承。創業130年を迎えるワイナリーだ。

 甲府盆地の丘陵地に立つ今の醸造所は半世紀ほど前に造られたもので、倉庫内には一升瓶に詰めた状態の古酒が保存されている。新たに醸造するワインにブレンドしたり、醸造年ごとに限定販売したりしてきた。

 ただ、1964年の醸造ワインは保存量が少なく、活用したことはなかった。鈴木圭一社長は「これだけ古酒の残るワイナリーは少ないはず。使うなら東京五輪が開かれる時と思っていた」と話す。

 ブドウは白ワイン用のセミヨン種。長い年月を経て淡い琥珀(こはく)色に変化した。熟成タイプのワインに使うブドウではないが、味はまろやかで、独特の甘さが感じられるという。

 前回の五輪開催にちなんで販売を始めたワインのラベルも復刻。「オリンピアン」と呼ばれる商品で、7年前にブランドを一新するまでワイナリーの主力商品の一つだった。

 ラベルは何回か変更したが、今回は初代のバージョン。3人の紳士がグラスを傾ける様子の絵柄で、懐かしさを感じさせるデザインになっている。中身は新たに醸造した赤・白の2種を用意した。「前回の東京五輪の記憶がある人、今回の五輪を楽しみたい人、それぞれ歴史の長さに思いをはせ、味わってもらえれば」

 1964年醸造の古酒は9万円(税込み)。オリンピアンは1760円(同)で販売予定。問い合わせはまるき葡萄酒(0553・44・1005)へ。(永沼仁)