五輪は無観客でも…国立競技場、設計思想をレガシーに

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橋田正城
写真・図版
国立競技場の設計責任者を務めた大成建設の川野久雄さん(右)と、ユニバーサルデザインを監修した東洋大の高橋儀平名誉教授=諫山卓弥撮影
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 23日に開幕した東京五輪。その主会場となる国立競技場の建設過程をレガシー(遺産)として残し、今後の公共建築に反映させようと考える人たちがいる。「世界最高水準」のユニバーサルデザイン(UD)をめざして話し合いを重ねた建築家と障害者、専門家だ。木材を多用し、環境に溶け込むことを意識した「杜(もり)のスタジアム」から見える課題とは――。

出された意見の繊細さ

 「大規模な競技場で、これほどUDのワークショップを開いた事例はないと思う。目からうろこの発想がいくつもあった」

 設計責任者を務めた大成建設の川野久雄さん(56)にとって、この仕事は建築設計の考え方が変わる転機になったという。障害者団体など14団体と、設計について事前に話し合うワークショップを21回開き、多様な声を施設に反映させたことが根底にある。「建築家と識者、市民、障害者が意見を出し合って、公共建築を創造する時代になった」

 たとえば、障害者が使うこと…

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