「世界一」の投げられ役 柔道阿部詩選手が今も頼る恩師

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滝沢隆史
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 東京五輪・柔道女子52キロ級に25日、阿部詩(うた)選手(21)が登場する。同日には男子66キロ級の兄・一二三(ひふみ)選手(23)も出場予定で、狙うは「兄妹同日金メダル」だ。その詩選手が、大事な試合の前に必ず投げ込んで調整する稽古の相手が長野県内にいる。今回も本番直前、「投げられ役」として最後の仕上げのために上京する予定だ。

 「スピードも技のキレもあり、順調」。稽古相手として、阿部詩選手の現在の調子に太鼓判を押すのは、佐久長聖中学(長野県佐久市)の垣田恵佑教諭(30)。兵庫県出身の阿部選手が通った夙川学院(現・夙川)中学・高校(神戸市)でコーチとして指導し、今春、佐久長聖へ移って中高一貫の柔道部で監督代行を務めている。

 近畿大を卒業し、柔道選手として現役を引退した後、指導者として強豪校で知られる夙川学院へ。その同じタイミングで入学してきたのが阿部選手だった。高校卒業までの6年間、成長を間近で見守った。

 垣田さんの指導は、実際に生徒と組んで実戦のように投げさせる「乱取り」が中心だ。阿部選手も中学時代から、体重90キロ近い垣田さんに食らいつき、来る日も来る日も投げ続けた。

 「身のこなしなど、センスが光る存在だった」というのが阿部選手を見た第一印象。その通り、全国中学校柔道大会で優勝するなど同世代の有力選手として頭角を現したが、高校1年の夏、大きな試練にぶつかった。

 優勝が期待された全国高校総…

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