自転車はギア選択も大事な戦略 小さな力で短くか、大きな力で長くか

自転車

忠鉢信一
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 五輪の自転車競技は、公道を走るロード、未舗装の山道を走るマウンテン、傾斜のついた周回路を走るトラック、子ども用の小型自転車がルーツのBMXの4種類に分けられる。技を競うBMXフリースタイル以外は、速さを競う競技だ。

 ロード、マウンテンの自転車は、路面の状態や斜度に合わせて複数のギアを使い分け、ペダルの回転と駆動輪の回転を調整しながらスピードを出す。変速機がある一般の自転車に「軽いギア」や「速いギア」があるのと同じだ。

 一方、BMXとトラックの自転車は、ギアを変えるディレイラーと呼ばれる装置が付いていない。ペダルに直結した前輪の大きな歯車と後輪の軸にある小さな歯車の歯数の選択によって、ギア比を決める。

 ギア比が大きくなれば、ペダルを回転させるためにより大きな力が必要になるが、ペダル1回転で進む距離は長くなる。逆にギアの比が小さいと、ペダル1回転で進む距離は短くなるが、ペダルを回転させる力は少なくて済む。ギア比の選択は戦略の一つだ。

 BMXでは、ペダル1回転で車輪が2回転余りとなるギア比が選ばれることが多い。トラックの場合は、日本勢では、男子ケイリンのメダル候補の新田祐大がペダル1回転で車輪が4回転以上、女子オムニアムの金メダル候補の梶原悠未が4回転に近いギア比を選ぶ可能性が高い。

 新田と梶原が視野に入れるギア比は、公営競技競輪の自転車より大きい。(忠鉢信一)