「遅刻魔」の改心、神様も見ていた? 19年ぶり8強

近藤咲子
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(20日、高校野球宮城大会 仙台西4-11仙台三)

 仙台西の初戦コールド負けは、直前の春大会だけではない。昨夏から3大会連続だ。なのに、今大会は接戦で粘り勝ちが続く。ついには今春の選抜大会に出た柴田も下して、19年ぶりに8強入りを果たした。その躍進に、相原正美監督自身が首をかしげるほどだ。

 その相原監督に「なぜか『野球の神様』がついてる」と言わしめているのが山木斗羽(とわ)君(2年)だ。

 初戦で終盤に勝ち越しの2点適時三塁打を放ち、次戦でも先制となる適時打を打った。柴田戦では遊撃手のミスを誘って出塁し生還。決勝点となった。

 入部当初は、ゲームが好きで夜更かしが続き、遅刻魔だった。守備でエラーが多く、打撃も不振だったのを見た相原監督は、「そういうところを野球の神様は見てんだよ」と諭した。

 母の恵利子さん(45)も「起きられないのは自分の責任」と見守ってきた。自ら起きて朝8時からの学校清掃に間に合うようになったのは今年の春から。その「ごほうび」だろうか。

 4強入りのかかったこの日の試合でも、躍進の立役者ぶりが光る。

 四回の2死二塁。バットの先で引っかけた打球は「ファウルかな」との当たり。だが、左翼線ぎりぎり内側に落ちた。

 「入った!」と自分でも驚き、そのまま二塁まで駆け抜けた。チーム初安打で1点を返した。これが口火となって4点が入り、チームは同点に追いついた。

 結局はコールド負けとなったものの、相原監督は試合後、「きょうもなんでか、あいつに神様がついてたんですかね」と笑った。

 山木君は「やり切った」と晴れやかだ。神様のことは「分からない」し、四回の適時打は「たまたま」。ただ、もし神様がいるなら、次の願いは「同期と1試合でも長く野球を」。(近藤咲子)