再エネ比率36~38%へ 30年度、基本計画素案公表

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長崎潤一郎
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 経済産業省は21日、改定する「エネルギー基本計画」の素案を公表した。脱炭素社会に向け太陽光発電など再生可能エネルギーを増やす。2030年度の電源構成の目標は、再生エネの比率を19年度実績の約2倍の「36~38%」とする。

 原発は「安全性の確保を大前提に必要な規模を持続的に活用していく」とした。電力業界などが求めていた建て替え(リプレース)や新増設については、明記しなかった。

 経産省はこの日午後の有識者会議に、原案を示した。関係省庁と調整して改定案をまとめ、意見公募をへて10月までの閣議決定をめざす。

 世界的な脱炭素の流れを受け、政府は50年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると宣言した。30年度に排出量を13年度比で46%削減する目標を掲げる。達成のため、排出量の約4割を占める電力部門で再生エネを大幅に増やす。

 30年度の電源構成の目標については、再生エネの比率をいまの計画の「22~24%」から「36~38%」に引き上げる。原発の比率は「20~22%」を維持する。燃焼時に二酸化炭素を出さない水素やアンモニア発電は1%を見込む。これらの「脱炭素電源」で59%を占めることをめざす。

 天然ガスや石炭などの火力発電は「41%」とし、19年度の実績(76%)の半分近くに減らす。

 18年改定のいまの計画でも再生エネは「主力電源」とされていた。今回は「最優先の原則のもとで最大限の導入に取り組む」とし、より重視する。比較的早く運転を始められる太陽光を中心に増やしていく。送電網の増強などを通じて再生エネの導入を加速させる。

 原発については、東京電力福島第一原発事故後の14年と18年改定の計画で入った「可能な限り原発依存度を低減する」との表現は維持した。既存の原発を安定的に活用するため、「長期運転を進めていく上での諸課題」に取り組むという。原則40年とされた運転期間の見直しや稼働率を向上させることが想定される。従来より建設費が抑えられ効率も高いとされる「小型モジュール炉」など、次世代炉の研究開発もする。(長崎潤一郎)

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