私そっちのけの残念会 直木賞の澤田瞳子さん寄稿

有料会員記事

[PR]

 第165回直木賞に「星落ちて、なお」(文芸春秋)で選ばれた作家の澤田瞳子さん(43)が、受賞をめぐる思いをエッセーにつづった。

 四度の落選を経て、直木賞をいただくことになった。こう書くと、「幾度も涙を呑(の)みましたね」と慰労されるが、私自身は比較的あっけらかんと過ごしてきた。

 なにせ選考委員の方々は皆、十代の頃から胸弾ませて読んできた御作のご著者である。あの物語の書き手たちに、拙作を読んでもらえる! それは畏怖(いふ)と嬉(うれ)しさが混じった、中学生の私が知れば間違いなく仰天したであろう時間だった。

 もちろん、受賞は嬉しい。だがその一方で、「ああ、終わっちゃったんだなあ」という一抹の寂しさがあるのも真実だ。

 初候補入りからの六年間、色…

この記事は有料会員記事です。残り802文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら