夏の甲子園、入場者限定の理由や感染対策をご説明します

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 朝日新聞社と日本高校野球連盟は21日、第103回全国高校野球選手権大会を8月9日から25日まで、兵庫県西宮市阪神甲子園球場で開催することを決めました。入場者を代表校の学校関係者に限った理由と、主な新型コロナウイルス感染防止対策や暑さ対策についてご説明します。

政府方針に基づく

 新型コロナウイルスの感染拡大により、昨夏の第102回大会は中止という判断を余儀なくされました。大会を目標に努力してきた選手たちのため、また開催を心待ちにしていただいている高校野球ファンのみなさまの声に応えるためにも、主催者である朝日新聞社と日本高野連は103回大会の開催に向けて、慎重に検討を重ねてきました。

 プロ野球やJリーグは緊急事態宣言中も、感染防止についての政府や自治体の方針に沿って、無観客もしくは観客数を制限しながら開催されてきました。同じ高校スポーツの全国高校総体(7月24日~8月24日、北信越など6県)も無観客を原則として開催されます。

 昨夏の甲子園交流試合、観客の上限を1試合1万人に制限した今春の選抜大会などを通して知見を積み重ねてきました。中高生の成果発表の機会確保に向け、スポーツ庁が策定したガイドラインだけでなく、朝日新聞社と日本高野連は昨夏以降、感染症の専門家らに継続して意見を求め、新型コロナウイルスの感染防止対策を盛り込んだガイドラインを独自に設けました。

 阪神甲子園球場のある兵庫県では、11日で新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」が解除されました。7月中は「感染リバウンド防止対策」としてイベント開催にあたっては、観客数の上限を1万人とする方針を出しています。

 ただ、夏の甲子園大会は47都道府県から49代表が集い、全国から観客が駆けつけます。多数の人の移動を半月余りにわたって生じさせることは、感染のリスクを高めることになると判断し、誠に残念ではありますが、一般の観客向けのチケット販売はしないことにしました。なお、各代表校の生徒や保護者らは当該試合に限り、一、三塁内野席への入場を2千人をめどに可能とします。学校は試合ごとに入場者の人数、氏名を主催者に届けます。入場の際には検温や手指の消毒などを実施し、大声を出しての声援は控えていただきます。みなさまのご理解をお願いします。

 今後も感染状況の動向、政府や兵庫県の方針に基づいて対応していきます。

抽選会もオンラインに

 新型コロナウイルス感染防止のガイドラインに沿って感染防止に全力を挙げます。主な対策として、選手ら代表校関係者、大会役員や審判員ら大会関係者は開催前から期間中に最大3回のPCR検査を実施▽甲子園練習を取りやめ、抽選会(8月3日)をオンライン開催とすることで代表校の甲子園入りを遅らせて合宿期間を短縮▽選手・監督への取材は対面ではなく、オンラインを原則とする――などを盛り込んでいます。

 暑さ対策についても、引き続き取り組みます。理学療法士がベンチ裏などに待機してサポートします。今大会から、3回戦と準々決勝の間に新たに休養日を設け、休養日を計3日とし、決勝でタイブレークを導入するのも選手の健康管理に配慮した暑さ対策の一環です。

新型コロナウイルス感染対策ガイドラインの骨子

・三つの密(密閉、密集、密接)を徹底的に回避

・大会関係者、代表校関係者、メディア関係者、学校関係者の検温を実施、球場内での消毒、マスク着用の徹底

・メディア関係者は事前登録制とし、選手・監督らチームへの取材は対面ではなく、オンラインを原則とする

《代表校関係者に新型コロナウイルスの感染者が確認された場合の対応》

・主催者は緊急対策本部を設置し、保健所の指示を踏まえて対応を決定する

・代表校内での集団感染ではなく個別の事案の場合、チームの初戦までは当該選手の入れ替えなどで対応し、代表校の大会参加は差し止めない

・集団感染と判断しチームとして出場ができなくなった場合でも、代表校の差し替えなどはしない

 中村史郎・朝日新聞社社長の話 コロナ禍でも夢を諦めず、白球を追い続けた球児たちに応えたい。その思いから、大会実現の道を探ってきました。熟慮を重ねた結果、感染対策を徹底し、スタンドへの入場を学校関係者に限り、開催することとしました。期間中も状況を注視して安全確保に努め、暑さ対策にも万全を期します。熱戦の模様は新聞やテレビ、朝日新聞デジタル、「バーチャル高校野球」などでお届けします。開催へのご理解と、球児への変わらぬご声援をお願いします。選手の皆さん、昨夏の中止で涙をのんだ先輩たちの分まで、全力でプレーしてください。100年を超える高校野球の歴史を、安全な形で未来へとつないでいきます。

     ◇

 八田英二・日本高校野球連盟会長の話 長い選手権大会の歴史で、中止は、大正時代の米騒動によるものと太平洋戦争によるものでした。そして新型コロナウイルス感染拡大に伴い、選手の健康第一との大原則から中止を決断したのが昨年の第102回大会でした。

 開催中止の流れの中でもなんとか実施をできないかという意見もありましたが、まさしく苦渋の決断でした。中止を知らされたときの球児の落胆をみるにつけ、彼らにとっての高校野球の存在がどれほど大きなものかを改めて認識させられました。痛恨の思いは私たち関係者も変わりません。

 とはいえ選抜大会の出場校を夏の選手権大会の期間中に招待し、最大限のコロナ対策を施したうえで、1試合のみですが夏の甲子園球場でプレーしてもらうことを目的とした交流試合を提供できました。異例ですが、伝統の火をともし続けることができたことで、少しは救われた思いをしています。

 いよいよ待望の選手権大会を2年ぶりで再開できるわけです。若者の夏が甲子園に帰ってくるという、この上もない喜びを関係者一同、ひしひしとかみしめています。