都の感染者「8月上旬に2600人」予測 専門家危機感

新型コロナウイルス

池上桃子、釆沢嘉高、市野塊、田伏潤
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 東京都内で新型コロナウイルスの感染拡大のスピードが止まらない。21日にあった都のモニタリング会議では1週間平均の新規感染者数は8月上旬には第3波を上回る約2600人になるとの予測が示された。感染力の強い変異株(デルタ株)の割合も3割に到達し、専門家は増加ペースがさらに増すと、「2週間を待たずに第3波をはるかに超える危機的な感染状況になる」と危機感を示した。

 都内では21日、新たに1832人の感染を確認。1800人を超えるのは第3波の1月16日以来となる。

 会議で報告された都内の週平均の新規感染者数は20日時点で1170人で、前週の785人から49%増加。6月21日の387人からわずか1カ月で1千人台の大台を超え、第3波を上回るペースで感染が急拡大している。今のペースが続くと、7月27日には1743人、8月3日には2598人となり、専門家は「第3波のピーク(週平均で1816人)を大きく上回る」と指摘している。

 感染者の年代別では、若年・中年層が中心で、20代が31・9%で最多、次いで30代が20・8%で20、30代で約5割を占める。20~30代は感染経路がわからない割合も60%台後半と高く、専門家からは「職場や施設内での感染状況の把握や検査が必要」と指摘した。

 また、都内ではPCR検査の陽性率も20日時点で10・2%と前週の7・2%から大きく上昇。「潜在的な陽性者が存在する可能性がある」とされた。医療提供体制にも影響が生じ始めている。重症病床の使用率は政府の基準で52%に達し、ステージ4(感染爆発)となっている。自宅療養者数も3657人と前週の1841人から倍増した。

 デルタ株については、都の検査に占める割合が7月11日までの1週間で30・5%に上り、前週の21・5%から9ポイント上昇。デルタ株は初確認から10週目で30%台に到達し、第4波の主流となったN501Yの変異をもつ変異株よりも3週間ほど速いペースで流行している。専門家は「(デルタ株が)市中に広がり、置き換わりが急速に進んでいる状況。引き続き十分な警戒が必要」と強調した。

 一方、緊急事態宣言後に都内の主要繁華街では人出が減少してきているとの報告もあった。4度目の宣言後の直近1週間では、宣言前と比べて昼間(正午~午後6時)で7・0%、夜間(午後6時~午前0時)で12・4%減少。ただ、前回の宣言の際に夜間で約50%減少したのに比べると、さらに減少させる必要があるとして、「(22日からの)4連休で徹底して抑制することが重要」との指摘が出た。

 コロナ対策を厚生労働省に助言する専門家組織(アドバイザリーボード)は21日、会合を開き、「東京を中心とする首都圏だけでなく、関西圏をはじめ多くの地域で新規感染者数が増加傾向となっている」と指摘した。記者会見した脇田隆字座長は「明日から4連休、夏休み、お盆などがあるが、さらなる感染拡大につなげないよう、各自治体は一層の危機感をもって、感染対策に取り組んでいただきたい」と訴えた。

 インドなどで見つかった「L452R」の変異があるウイルスに感染した人は、PCRスクリーニング検査で19日までに全国で4349人を確認した。前週の2450人から、さらに増えた。

 ワクチンの接種を受けた人は受けていない人に比べ、人口当たりの新規感染者数が10分の1程度にとどまることも明らかになった。7月5~15日に全国で確認された10万人あたり感染者数は、ワクチン未接種の65歳以上では13人だが、ワクチン接種者は0・9人だった。(池上桃子、釆沢嘉高、市野塊、田伏潤)

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