ホームヘルパーの2020年度の有効求人倍率は14・92倍だった。前年より0・11ポイント低下したとはいえ、なお深刻な人手不足が続く。訪問介護の現場からは「処遇が悪すぎて続けられない」「子どもの教育費をまかなえる給料を出してほしい」など、労働環境の抜本的な改善を求める声があがっている。
13年度は3・29倍だったヘルパーの有効求人倍率は右肩上がりに上昇、19年度には15・03倍に達していた。
20年度の介護関係職種の有効求人倍率は3・86倍(前年比0・37ポイント低下)。コロナ禍で同年度の平均は1・10倍、前年比0・45ポイントと大幅に低下した一方、ヘルパーの求人倍率は群を抜いて高い水準が続いている。
こうしたなか683人のヘルパーに労働条件や賃金について尋ねたアンケートが7月1日公表された。調査したのは、現役で働く60代のヘルパー女性3人が「人手不足は国の責任」として国に損害賠償を求めた訴訟の原告団だ。20年7~9月、インターネットと郵送で実施した。
アンケートによれば、19年の年収は150万円台以下が7割近くを占めた。こうした低賃金の背景として原告側が問題にするのが、訪問のキャンセルや移動・待機時間についての「賃金未払い」だ。
例えばキャンセル時の対応で…
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