コウホネ復活ならず 原因調査し再移植を検討 稚内

奈良山雅俊
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 利尻礼文サロベツ国立公園にある北海道稚内市の浜勇知(はまゆうち)展望休憩施設「こうほねの家」のコウホネ(スイレン科)が咲かない。昨秋、環境省が20株を沼に移植したが、開花の時期を迎えても小さな葉が3枚見えるだけだ。同省は7月末に原因を調査したうえで再移植を検討する。

 沼は3年前、地下水をくみ上げるポンプの故障で干上がり、自生種が全滅。一昨年、稚内市がポンプを修復し、約6キロ南の夕来(ゆうくる)地区の群生地から移植した2株のうち1株が昨年7月に花を咲かせた。

 もともと夕来地区の群生地のコウホネは、約20年前に施設前の沼の株の一部を移したもの。環境省は遺伝的な問題がないことから、施設前の池でコウホネを復活させるために夕来地区から移植することを決めた。

 昨秋、沼東側の地下水の入り口付近と、絶滅前に群生していた北側の2カ所に20株を移植。今夏の開花が期待されたが、いまは沼東側で水面に2枚、水中に1枚の葉が見えるだけだ。3枚とも昨年開花した株から伸びた可能性もあるが、いずれにしても水面に花柄は伸びていない。

 同省は、移植を主導した北海道大学総合博物館の首藤光太郎助教とともに、株の状態や水質などを分析し、原因を探る。今年は夕来地区の群生地の花数が減っており、株を掘り起こすことによる負荷が懸念されるが、問題がないと判断できれば再移植するという。

 同省稚内自然保護官事務所の柴原崇・国立公園保護管理企画官は「一度の移植でもとに戻るわけではないが、結果は意外。地下水は栄養がないので、それがどう影響したかも含めて、原因を調べたい」と話した。(奈良山雅俊)