インドネシア特別便、負担軽減 「帰国の道、開かれた」

半田尚子
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 新型コロナウイルスの感染が急拡大しているインドネシアから退避する邦人を乗せる新たな特別便が26日と28日に運航される。現地の日本大使館が21日発表した。同日到着した特別便と異なり、待機施設やPCR検査は国が手配・負担し、企業や団体による保証が無い人でも申し込みできる。

 日本大使館によると、特別便は日本航空が26日、全日空が28日運航。首都ジャカルタ郊外のスカルノ・ハッタ国際空港を出発し、それぞれ関西空港中部空港に到着する。搭乗者は航空券代と出国前のPCR検査代は負担するが、隔離の10日間を過ごすホテルやPCR検査は国の負担となる。

 これまで募集した特別便2便は、日本に拠点がある企業や団体が搭乗者の「保証人」となり、帰国後の14日間の隔離措置を確約する誓約書の提出が必要。入国後の隔離施設やPCR検査などの費用も負担することになっていた。

 外務省海外邦人安全課は「企業や団体に所属しない人にも対応する帰国便の準備を進めてきた。今回は政府の検疫所の準備ができたので、公費負担となった」と説明した。

 インドネシアでは感染状況の悪化により、邦人の感染も増えている。21日時点で日本大使館が把握する感染者数は約370人、死者17人となっている。

 7月以降、邦人の退避の動きが加速し、日本行き航空券の手配が難しい。航空券の手配を待つ間に新型コロナに感染し、自宅療養中の20代の女子学生は「帰国の道が開かれたことにほっとしている。ただ、後ろ盾がない個人だからこそ、逆にサポートが必要だとも言える。最初から個人に配慮した特別便にしてほしかった」と話す。

 一方、製造業の担当者は、社員を帰国させようと25日の便を申し込んだ。航空券や隔離施設の宿泊費などを含めた約37万円のチケットを申し込んだが、買うことができなかった。男性は「費用を負担するのは会社だが、対応があまりに不公平だ。政府に振り回された」と不満を漏らした。(半田尚子)