7月21日の高校野球 山梨

玉木祥子
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 昨夏の独自大会で優勝した東海大甲府と準優勝校の山梨学院が涙をのんだ。山梨学院は昨夏を挟んで、大会5連覇の夢を果たせなかった。富士学苑は11年ぶり、日本航空は7年ぶりの決勝進出。初優勝を狙う富士学苑、13年ぶり6回目の甲子園出場をめざす日本航空がぶつかり合う決勝は23日午前10時。夢舞台への切符を手にするのはどっちだ。

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 今春の選抜大会出場校が姿を消した。春に続いて甲子園の土を踏む夢はかなわなかった。

 初回、先発投手が4点を奪われた。さらに1点を追加されて迎えた四回、ベンチから声がかかった。

 仲間からも「お前が引っ張れ」と言葉をかけられた。しかし、マウンドから見える景色はいつもと違って見えた。「こんなにリードされた状況でマウンドに立ったことはなかった」

 八回に痛恨のミスをしてしまう。自らの野選と、失策が絡み、さらに点差が開いた。その裏、2年生投手への交代を村中秀人監督から告げられた。「自分が流れ持ってきます」と思いをぶつけた。エースとしての意地があった。

 村中監督はこれに応えた。九回、マウンドに立つと、これまで夜まで練習に付き合ってくれた監督や部長など指導者の姿がよみがえり、力に変わった。「よっしゃー」。気迫ある投球で、最後の打者を三振で打ち取った。

 昨夏の独自大会で優勝したが、甲子園に行くことができなかった先輩たちの悔しさを晴らしたかった。今まで指導してくれた監督や部長、コーチに恩返しで勝ちたかった。負けが決まると、そんな思いがどっとあふれた。スタンドに向かってあいさつを終えた瞬間、泣き崩れた。

 選抜大会では東海大相模と対戦し、捕逸で先制を許した。「あれは自分のせい」。チームみんなで「夏絶対に戻ってやる」と誓った。全ては甲子園に行くため。必死に練習してきた。

 新チームになってからはずっと「1」を付け続けた。「監督さんたちから自分を信頼してもらったことに感謝しかない。成長させてくれたのに結果で返せず悔しい」と感謝の言葉を何度も口にし、涙をぬぐった。(玉木祥子)