川口いじめ問題の文書誤りの訂正求め元生徒側が市を提訴

堤恭太
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 埼玉県川口市立中学校でいじめが原因で元男子生徒(18)が不登校になった問題で、元生徒側は21日、市が情報公開した自分のいじめに関する公文書に誤りがあるのに訂正しないのは市個人情報保護条例に違反しているなどとして、市(市教育委員会)を相手取り、さいたま地裁に不訂正決定の取り消しを求めて提訴した。

 元生徒側は2018年1月に情報公開請求をしたが、ほとんど公開されなかったため19年1月に開示などを求めて提訴。市側は同年5月、非開示決定を突然取り消して522枚の公文書を開示したが、元生徒側は公文書に78カ所の誤りがあることから今年1月に訂正を請求した。ところが、市教委は3月末に「元生徒の個人情報ではない」「文書作成当時の認識や評価を記録したもの」などとして、78カ所すべてについて不訂正の決定をした。

 県教委は①日付や曜日の間違い②母親の名前は「志歩」なのに数カ所で「志保」と記載③音声記録によって明らかに間違いと判断できる記述――について、再三にわたり法にのっとって適切に対応するよう求めていたが、市教委は応じていない。

 今回の訴えでは、日付や母親の名前の間違い、聴取記録にある加害生徒の名前が学校に在籍していない生徒の名前になっていた点など、明らかに間違っている30カ所余りの不訂正決定の取り消しを求めた。

 また、市教委が不訂正の理由の多くを「元生徒本人の個人情報ではない」としている点についても、「この公文書は元生徒の個人情報として開示されたもの」と反論。条例で個人情報は「正確かつ最新のものとする」とされており訂正請求権も認めているにもかかわらず、市教委は応じていないと指摘した。

 提訴後、母親の森田志歩さんは、市長や教育長が議会や会見で「情報公開にはより一層丁寧に対応する」などと述べている点に触れて、「明らかな間違いも訂正しない。これが丁寧な対応と言えるのだろうか」と話した。

 市教委は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。(堤恭太)