米ソフトのアボットが完封勝ち 北京五輪でも活躍、来日13年目

ソフトボール

井上翔太
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 東京オリンピック(五輪)のソフトボール1次リーグで22日、米国の先発左腕モニカ・アボット投手(35)=トヨタ自動車=がカナダを相手に、被安打1で完封。チームは1―0で2連勝を飾った。

 六回に初安打を許して一打逆転のピンチを迎えたが、空振り三振でピンチを脱出。七回も落ち着いてアウトを重ね、捕手と抱き合った。

 この大会限りで、ソフトボールは五輪の実施競技から外れる。アボットは日本が初の金メダルを獲得した2008年の北京五輪決勝では、米国の2番手として登板。翌年に、「純粋にソフトボールをするために」と来日した。

 トヨタ自動車でプレーするアボットは当初、「神経質になっていて、2、3年で米国に帰ろうとも思っていた」という。だが会社やチームメートの支えで、少しずつ溶け込んでいった。

 今年は来日13年目。今ではベテランとなり、チーム全体を見渡すことも多い。 元日本代表で、トヨタ自動車時代のチームメート・山根佐由里さんによると、「最初は『自分がしっかりプレーで引っ張らないと』というスタイルだった。でも今は、若い選手たちが多くなり、他の投手を成長させようとしている。今の上野さんのよう」と語る。

 アボットは、練習から常に意識が高く、女子日本リーグのライバル、ビックカメラ高崎と対戦する前は、「打順を想定して投球練習をしている」。タイブレーカー(走者を塁上に置いた状態から始める延長戦)に入ったときの相手打者まで、考えているという。

 選手たちが緊張している様子を察すると、声をかける。女子日本リーグの試合前のミーティング。

 「簡単なエクササイズをしよう」

 「緊張している人、立って」

 「パフォーマンスを出せるか不安な人は、立って」

 他の選手は立ったり、座ったりを繰り返し、「みんな心境は違う。それを理解し合おう」と伝えた。

 オンとオフがはっきりしているのも、特徴だ。ちなみに前述のミーティングは最後、この言葉で締めた。

 「ドーナツ、いる人?」 日本が、アボットを擁する米国と戦うのは今月26日。(井上翔太)