専大松戸の優勝たぐり寄せた2人目のエース 冷静さ光る

石垣明真
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(21日 高校野球千葉大会決勝 木更津総合6-10専大松戸)

 四回表無死一塁、マウンドには背番号11の岡本陸投手(3年、専大松戸)が登った。すでに3点差をつけられていた。深沢鳳介選手(同)を救援し、相手の送りバントを三飛とさせ、併殺で試合の流れを引き寄せ、反撃への勢いを作った。

 この試合、持丸修一監督からは「早いうちから投げられるようにしておけ」と言われていたが、想定よりも早い継投だった。「自分の役割は、この流れを変えること」。外角低めをつく投球が味方の猛攻を呼び込んだ。3点のリードを奪い勢いに乗ると、六回以降は三者凡退に打ち取っていた。

 これが一変したのは八回だった。七回裏に攻めあぐねた流れを断ち切れず、四球や長短打で追いつかれた。それでもリードは許さなかった。「深沢と2人で高め合ってやってきた。自分もエース」という思いが気持ちを奮い立たせながらも、頭は冷静だった。

 両チームとも0点が続いて迎えた十三回表のタイブレーク。遊撃手の石井詠己選手(同)が「二塁走者にスタートを切られるかもしれない」と声をかけた。その言葉でさらに冷静になると、走者が三盗を試みる動きを牽制(けんせい)。アウトをとった。ピンチにまた、流れを変えた瞬間だった。声援のない球場で、このプレーへの拍手はひときわ高くなった。

 0点に抑えたその裏、タイブレークで二塁上にいた岡本投手は、吉岡道泰選手(同)の大飛球を見上げ、本塁上では、まず深沢選手と抱き合った。「ありがとう」。口からは感謝の言葉がこぼれた。

 「もう深沢のチームとは言われない。うちはダブルエースです」。持丸監督はそう話した。岡本投手は「甲子園で自分が投げたいという気持ちは強い。チームに勝ちをもたらすピッチングをする」と力強く誓った。(石垣明真)