選手の「気持ち」、心拍数で見える化 五輪アーチェリー

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森田岳穂
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 東京五輪アーチェリーのテレビ放送では、選手の心拍数の変化が画面にグラフで表示される。競技に影響しないよう選手に機器はつけず、カメラで撮影した顔色を解析してデータを得る。選手の動きが少ない競技だけに、緊張感の高まりなどの「心情」を見える化して、観戦をより楽しくするねらいだ。

 パナソニックの「非接触バイタルセンシング」という画像解析技術を活用する。もともとはパソコンを使って働く人のストレスを測るために開発された。

 アーチェリー会場の選手から約20メートル離れた場所に4台のカメラを設置し、顔を撮影。血管の収縮によって起きる顔色の微細な変化から心拍数を測り、リアルタイムで放送局に送る。

 課題だったのが、弓を引くときに手が邪魔になり、顔色の解析が難しくなることだ。そこで通常の顔認証に加え、事前に各選手の顔を登録することなどで、精度の高い計測を続けられるシステムを開発した。2017年のゴルフ大会「パナソニックオープン」や19年にオランダで行われたアーチェリーの世界選手権などで実証実験を重ねてきた。

 心拍数から精神の安定状況などを把握して、選手の強化に活用することも期待されている。手首や腕などにつける計測機器は市販もされているが、選手の集中を妨げたり、動きを邪魔したりする可能性があり、本番では使いづらかったという。

 アーチェリーの試合は24~31日にNHKのBSなどで放送される。日本からは男女3人ずつが出場する。

 全日本アーチェリー連盟の松…

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