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子ども水深10センチでも溺れる恐れ 狭い用水路に注意

竹野内崇宏
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 幅の狭い用水路や側溝では、水深が10センチ程度でも、子どもが溺れたり、流されたりする恐れがあることが京都大学の研究でわかった。水辺に近づくことが増える季節、小さな水路でも油断をしないように研究者は呼びかけている。

 警察庁の昨年までの統計では例年700~800人前後が水難事故で死亡・行方不明となっている。海や川が多いが、用水路での事故も1割近くを占めている。

 京大の岡本隆明助教(河川工学・防災水工学)は身長120センチ、体重23キロの子どもに見立てた人体模型と実験用の水路を使い、用水路に転落した場合に水難につながる条件を探った。

 その結果、水路の幅が広いときには子どもの体が流れに与える影響は小さいが、水路が狭いほど体で水の流れがせき止められ、上流側の水位が上昇することがわかった。

 水路の幅を40センチと設定し、上流側に頭を向けて模型を寝そべらせた実験では、もとの水流の深さが約10センチでも頭の上流側では約20センチになった。横向きなど顔の方向によっては口や鼻が水に沈む結果になった。

 体を起こし、上流側を向いて座る姿勢で模型を置いた実験では、寝そべった場合よりも上流側の水位はさらに上昇した。

 顔は水面より下には沈まないものの、体の前後の水位差が大きくなり、体が水に浮く力も働くことで、もとの水位が十数センチ程度でも下流に押し流される可能性があることもわかった。

 岡本さんは「幅が狭い用水路では、水深が浅くても子どもの体が水をせきとめることで、水難事故が起きやすくなる恐れがあることがわかった」と話す。

 「川に比べて注意が向けられにくいが、特に道路沿いなど転落事故が起きやすい用水路では、柵やふたを設置するなどの対策を進める必要がある」と呼びかけている。(竹野内崇宏)