1世紀前の五輪も苦労した コロナ禍の東京と重なるもの

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ブリュッセル=青田秀樹
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 東京オリンピック(五輪)・パラリンピックに特別な思いを寄せる人たちがベルギーにいる。同国北部アントワープで1920年に開かれた五輪は、欧州が戦火に包まれた第1次世界大戦からの復興の象徴となり、スペイン風邪が世界を襲った後だった。1世紀を経たコロナ禍の五輪と重なりあう。(ブリュッセル=青田秀樹)

〈アントワープ五輪〉第1次世界大戦でベルリン大会が中止になった後、8年ぶりとなる1920年に開催。近代五輪初の選手宣誓があり、世界中の国や地域が集まって連帯することを示す五輪旗が初めて掲げられた。熊谷一弥がテニスの男子シングルスで日本勢初のメダル(銀)を獲得したほか、金栗四三がマラソンに出場するなどした。

 ブリュッセルに住むエブリン・ティテカさん(83)は23日開幕の東京五輪を心待ちにしてきた。家族でテレビを囲み、孫たちに101年前のこと、そして、大伯父のことを語るという。

 大伯父とはビクトル・ボワン(1886~1974)。アントワープ五輪の開会式で右手を挙げて誓った。「競技規則を守り、騎士道精神にのっとって、祖国の名誉と競技の栄光のために戦う」。形を変えつつ受け継がれる近代五輪初の選手宣誓である。

 ボワンはベルギー選手団の旗手を務め、フェンシングの団体で銀メダルを獲得。後に障害者スポーツも支えた。自身のキャリアや活動を決して自慢しなかったが、こう語っていたという。

 「参加する選手たちを代表し…

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