鶴岡東が東海大山形にコールド負け 悔やまれる実戦不足

福岡龍一郎
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(22日、高校野球山形大会 東海大山形12-2鶴岡東)

 五回裏、2死三塁。鶴岡東の津田正斗投手(3年)は、東海大山形の4番、水尾悠斗選手(同)を打席に迎えた。その時点で9点差をつけられており、もう後がない。1点与えればコールド負けだ。津田君は深く息を吸い込んだ。「やることは変わらない。キャッチャーミットに全力で投げ込むだけだ」

 5球目に捕手の堀部賢君(同)は高めの直球を要求。思いきり投げた球は、悪くなかったはずだが、うまく合わせられて中前へと運ばれてしまった。三塁走者がガッツポーズで生還。相手のベンチから飛び出す、喜びを爆発させた選手たち。その光景を津田君は、マウンドからぼうぜんと眺めていた。堀部君はグラウンドに手をつき、しばらく立ち上がれなかった。

 鶴岡東は、夏は2年前から県内負け無し。先輩たちは、昨年の交流試合も含めると2年連続で甲子園の土を踏んでいた。昨夏、2年生でベンチ入りしたのは津田君だけだった。「甲子園にもう一度立ちたい」。その一念で頑張ってきた。

 チームは、部員数が百人超と県内有数の層の厚さを誇る。大会直前まで激しいレギュラー争いを繰り広げ、それぞれが力をつけたはずだった。

 しかし、東海大山形の打線は想像の上をいっていた。「選手の身体がでかくて、一発が怖かった」と、堀部君は語る。そのプレッシャーの影響か、守備面で浮足だち、エラーが重なった。そこをつけ込まれてしまった形だ。

 振り返れば、この一年は苦しかった。コロナ禍の影響で、春大会は出場を辞退。他校との練習試合が全くできない時期も続き、実戦経験の不足がチームの懸念点だった。

 試合後、佐藤俊監督は「もう少し選手たちにプレーさせてやりたかった」と話していた。(福岡龍一郎)