「試合よりも心配なのは…」18人濃厚接触判定の南ア、日本戦で惜敗

サッカー

遠田寛生
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 緊急事態宣言下の東京・味の素スタジアムで、無観客のスタンドに試合終了のホイッスルが反響した。

 新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者と判定されながら、「五輪特例」で出場を果たした南アフリカサッカー男子の選手たちは走り切ったが、競り負けた。手を腰に当てうなだれる者、立ち尽くす者。「練習は再開できたけど、正直厳しい」。そう話していたマレペ主将も、懸命にボールを追った。

 18日に選手村滞在中の選手2人とスタッフ1人の感染が判明。18人が濃厚接触者と判定された。その大多数が選手だった。

 通常、国内の濃厚接触者は14日間の自宅待機などが求められている。日本のJリーグも濃厚接触者は出場できない。しかし五輪では、競技開始6時間前の検査で陰性なら出場できる。政府などが開幕1週間前の16日に発表した方針だ。「感謝している」。ノトアン監督は話した。

練習後は自室で閉じこもる

 濃厚接触者は村内の食堂にも行けず、食料や飲み物はスタッフから各部屋に届けられたという。19日から練習は認められたが、終われば自室に1人ずつ閉じこもっている。

 ノトアン監督の心配は尽きない。特に暑さ対策だ。練習で湿度が高い日本の気候に慣れる予定だったが、コロナの影響で十分に備えられなかったという。

 「冬の南アから来て、日本の暑さを初めて経験する」。6月のサッカー欧州選手権で試合中に倒れ、心肺蘇生措置を受けたデンマーク選手の例を挙げ、「試合よりも、選手の健康が心配だ」と言い切った。

 今月初めから選手らの行動ルール(プレーブック)の運用が始まって以降、大会組織委員会が発表した感染者の数は22日で87人となった。他競技では、世界ランク1位の英国の射撃選手ら、コロナ陽性を理由とした棄権が相次ぐ。「安心・安全の大会」は23日に開会式を迎える。(遠田寛生)