児童文学作家の那須正幹さんが22日に79歳で亡くなった。1カ月ほど前の6月27日に出身地の広島市内で講演していた。ユーモアを交えながら「ズッコケ三人組」シリーズの人気の秘訣(ひけつ)を紹介した一方で、今の子どもたちについて「人間関係に疲れている」と心配もしていた。
1978年に始まった「ズッコケ三人組」シリーズが人気となったことに触れ、「タイムスリップしたかと思うと、幽霊と会う。殺人事件を解決したり、児童会長に立候補したりと、何でもあり。子どもたちが非常に飽きずに読んでくれた」と振り返った。「あの頃、エンターテインメントの児童文学がなかった。それも読まれた理由と思う」とも語った。
子どもたちから届く手紙を通して、世の中の変化も感じてきた。80年代には、三人組に触発されて「秘密基地をつくった」などと書いてあったが、90年代ごろになると自分たちが同じことをするのではなく、「私たちのできないことをやってくれるから楽しい」という内容に変わったという。最近では「三人組のような何でも話せる友だちがほしい」「けんかをしてもすぐに仲直りできるのがうらやましい」などと書かれていたという。
親子や友だちとの関係をめぐ…