世界遺産委、日本に改善要求決議 軍艦島の展示めぐり

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疋田多揚=パリ、菅原普 ソウル=鈴木拓也
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 ユネスコ国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は22日、長崎県の端島炭坑(軍艦島)などからなる世界文化遺産明治日本の産業革命遺産」について、朝鮮半島などから連行され労働を強いられた人々についての日本の説明が不十分だとして、「強い遺憾を示す」とする決議を全会一致で採択した。日本政府は15年の登録時、犠牲者を記憶にとどめるための措置をとると約束していた。

 世界遺産委員会は、登録遺産の保全状況などを定期的にフォローしている。

 今回の決議に先立ち、世界遺産センターは6月、軍艦島などの遺産を展示する「産業遺産情報センター」(東京都新宿区)に専門家を派遣。今月公表した報告書で、展示は産業遺産の「より暗い側面」を見学者が判断できるような「多様な証言」を提示しようとしておらず、犠牲者についての説明も「不十分だ」と結論づけていた。

 決議が採択されても、日本政府は、約束を果たしているとの立場を維持する方針だ。加藤勝信官房長官は21日の記者会見で、「我が国はこれまでの世界遺産委員会における決議、勧告を真摯(しんし)に受け止め、約束した措置を含め、誠実に実行して履行してきた」と述べた。外務省幹部は「決議で日本の立場を変えることはない」と話した。

 世界遺産センターの報告書は「軍艦島の関連で展示された証言は、労働を強いられた例がなかったかのようなメッセージを伝えている」と問題視。「犠牲者を記憶する目的に資すると位置づけられるような展示はない」と結論づけた。

 決議はこの報告書を踏まえ、「犠牲者を記憶にとどめるために適切な措置を説明戦略に盛り込む」ことを考慮に入れるよう日本政府に要求。一例として、こうした犠牲者の説明に特化した情報センターを設けることにも言及した。

 さらに、「意思に反して連れ…

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