サッカー男子、開催危ぶまれた初戦制す じれずに攻めて決めた決勝点

サッカー

勝見壮史
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(22日、男子サッカー 日本1-0南アフリカ)

 開始5秒で、南アフリカの狙いは分かった。日本がキックオフで球を自陣に下げても、まったく圧力をかけてこない。MF4人が、DF5人が、横に並んで自陣で構える。体力を温存して逆襲にかける作戦だ。

 我慢比べが始まった。

 そもそも、難しい初戦だった。南アフリカは新型コロナウイルスの陽性者が出て、試合の開催すら危ぶまれる事態になった。日本にとって有利かと言えば、そうとも言えない。苦い過去があったからだ。

 前回のリオデジャネイロ五輪初戦。相手のナイジェリアは、トラブルから現地に到着できたのが、当日だった。それでも立ち上がりから躍動した。日本は4―5で競り負けてしまった。

 「前回のことがあるから、惑わされない。100%で来ると思って準備する」。石橋をたたいて渡るタイプの森保一監督らしく、関係者にそう語っていた。

 アフリカ勢は身体能力に優れる。体調は悪くても、一瞬のチャンスをものにするパワーやスピードがある。球を失えば、堂安律久保建英も、ダッシュで戻ってパスをカットし、カウンターの芽を摘んだ。先輩たちの経験を自らのものとして、生かしていた。

 そして、じれずに攻め続けて決勝点を奪ってみせた。後半26分、敵陣深くでロングパスを受けた久保が得意の左足でゴールをこじ開けた。「てっぺんまで突っ走っていきたい」。そう豪語していた20歳の一発で、高い目標に向かう日本の戦いが幕を開けた。(勝見壮史)