タリバーンが半数の地区支配 米軍の撤退進むアフガン

ワシントン=高野遼
[PR]

 8月末の期限に向けて駐留米軍の撤退が進むアフガニスタンについて、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は21日の記者会見で、反政府勢力タリバーンがこの数カ月で支配地域を広げ、現時点で全体の約半数の地区を支配下に置いたと明らかにした。米国が支援するアフガン政府側は米軍撤退を目前に厳しい状況に追い込まれている。

 アフガニスタンでは米軍撤退を尻目にタリバーンが勢力を拡大し、現政権の崩壊も懸念されている。ミリー氏は「戦略的な勢いはタリバーンにあるようにみえる」と現状を分析した。

 ミリー氏によると、全34州とも州都はまだタリバーンに支配されていないが、うち17州では周辺部から圧力が強まっているという。また、全国に400以上ある地区でみると、現時点では約半数で中心部がタリバーンの支配下に置かれている。ミリー氏は「過去6~10カ月で非常に多くの地域をタリバーンが制圧した」と述べた。

 ミリー氏は、アフガン治安部隊が人口が密集する首都カブールや州都に兵力を集約させていることも背景にあると言及。「タリバーンによる軍事制圧という望ましくない結末が確定しているわけではない」として情勢を注視していく考えを示した。

 タリバーンの勢力拡大を受けても米政府は撤退方針を変えておらず、すでに撤退作業の95%以上が完了した。首都カブール以外の基地はすべてアフガン政府側に引き渡された。米軍撤退後はアフガン政府への経済支援に加え、国外からの空爆によるテロ対策などを続ける方針としている。(ワシントン=高野遼)