米、キューバ制裁を発表 デモ参加者の不当拘束を問題視

ワシントン=高野遼、サンパウロ=岡田玄
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 キューバで今月11日に起きた異例の反政府デモをめぐり、米政府は22日、デモ参加者を不当に拘束するなどの人権侵害があったとして、キューバ政府のミエラ国防相と、内務省の特殊部隊を制裁対象に指定したと発表した。

 キューバでは一党支配する共産党が言論や集会の自由を制限しており、反政府デモは極めて異例。食料不足や新型コロナウイルス対策への不満などが背景にあり、首都ハバナなどで市民がデモに繰り出したが、政府によって拘束されたり、インターネットが遮断・制限をされたりする事態となっている。

 バイデン米大統領は同日、「キューバ国民を沈黙させるために人々を不当に投獄する、大量拘束と不正な裁判を明確に非難する」との声明を発表。「62年間にわたる共産主義政権の抑圧に反対するために通りに出た勇敢なキューバ国民を米国は支持する」とした。

 米財務省の発表によると、ミエラ氏が率いる政府機関はデモの弾圧に主要な役割を果たし、100人以上のデモ参加者を拘束するなどしたと認定した。また内務省の特殊部隊も、デモを抑圧する役割を担ったとしている。

 米国による制裁の発表を受け、キューバのロドリゲス外相は22日、国営メディアなどを通じ「キューバでは弾圧行為もなければ、社会的な暴動も起きていない」と反論。ツイッターでは、米国内で警察による暴力や抑圧で千人以上の命が奪われたとし、制裁の根拠となっている法律を「警察の残虐行為にこそ自ら適用すべきだ」と投稿した。(ワシントン=高野遼、サンパウロ=岡田玄)