石炭火力発電所の建設、電力・発電会社の悩みのタネに

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神田明美、栗林史子
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 石炭火力発電所の建設をどうしていくか――。この問題が大手電力会社や発電会社にとって悩みのタネとなっている。政府が2050年に温室効果ガス排出の実質ゼロを掲げ、主要国でも温暖化対策に逆行する石炭火力が問題視されているためだ。「矛盾」する動きに対しては、住民からも建設差し止めを求める訴訟などが相次ぐ。(神田明美、栗林史子

 神戸市灘区阪神電鉄本線から海側に数百メートルの場所に煙突がそびえる。神戸製鋼所が製鉄所高炉跡地で運転を予定する石炭火力の神戸発電所3、4号機(計130万キロワット)だ。先行して工事が進んだ3号機は5月にボイラーへの火入れを終え、今年度中の営業運転開始を予定している。

 石炭火力は天然ガス火力の約2倍の二酸化炭素(CO2)を排出し、温暖化の原因として指摘されている。2基の石炭火力は将来、燃焼時にCO2を出さないアンモニアにすべて置き換えることをめざすが、まだ技術は確立されていない。この2基で発電した電力を30年間買う契約を結ぶ関西電力は、政府の目標に沿う形で2050年にCO2排出量を実質ゼロとする方針を掲げる。幹部は「どういう政策になるかで今後の(石炭火力の)運営に影響が出てくる」と打ち明ける。

 東京電力グループと中部電力で出資する「JERA(ジェラ)」も神奈川県横須賀市で2基の石炭火力発電所を建設している。40年代以降に石炭を全部アンモニアに換え、50年に実質ゼロをめざす。CO2の回収技術も研究する。ただ、こちらも技術を含む体制が整っておらず、コストもどれほどかかるか把握されていない。

 石炭火力の建設が進められた…

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