愛工大名電の注目打者を2三振 父はイチローさんと対戦

仲川明里
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(22日 高校野球愛知大会 誉2-4愛工大名電)

 負けん気に火が着いた。二回だ。この回から救援した誉のエース川崎陽仁投手(3年)は2死後、愛工大名電の田村俊介選手(同)を打席に迎えた。

 「絶対に三振に取ってやる」。プロ注目の強打者にエースは奮い立つ。2ストライクと追い込み、5球目。内角低めのスライダーで空振り三振に仕留めた。グラブをたたき、笑顔でベンチに戻った。

 試合前から「田村君を一番意識していた」という。18日の杜若戦での打席を研究し、内角が苦手と感じた。左打者の田村選手には、自分の持ち球のなかでストライクゾーンからボールになる120キロ台のスライダーが有効と思った。

 初対戦だった二回の空振り三振で「タイミングが合ってなかった。打たれる気がしなかった」と自信を持った。五回もスライダーで3球三振に。七回は内角への直球で左飛に打ち取った。

 愛工大名電とはちょっとした「因縁」もあった。父・敬太さん(48)は滝高3年の夏の愛知大会で、エースとして愛工大名電と戦って敗れた。大リーグなどで活躍したイチローさんとも対戦したという。

 この日、自宅を出る前に両親からは「お父さんの分まで頑張って」と声をかけられた。スタンドから試合を見守った敬太さんは「球のキレも良かったし、ナイスピッチングだった。おつかれさまと言いたい」とねぎらった。

 7回を被安打4、1失点で7奪三振と好投した川崎投手は「勝ってみんなと甲子園に行きたかった。でも、納得がいく投球はできたし、強打者を抑えられたことは自信になった」。将来の目標はプロ野球選手で「相手が誰であろうと、アウトにできる投手になりたい」。涙をぬぐって次のステージでの活躍を誓った。(仲川明里)