世界の声援、選手に届け 無観客に立ち上がった技術者

山崎啓介
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 大部分の競技会場が無観客となる異例のオリンピックが始まる。歓声が響かない中で競技をする選手に、ホスト国として少しでも声援を届けられないか――。そんな思いから、「応援サイト」を無償で立ち上げたエンジニアたちがいた。

 19日に開設されたのは、「UNITE BY EMOTION」(https://world-emotions.imbesideyou.com/index.html別ウインドウで開きます)。選手を応援する様子をスマホなどで撮影し、短い動画や写真を投稿してもらうサイト。23日午後8時から、集まった動画がサイト上でランダムに再生されるようになるという。

 投稿された動画は、撮影された人の表情や声援などをAIが解析して、「喜び」や「驚き」といった六つの感情に分類。国ごとの投稿数やその感情の規模を表示させて、その時々の世界中の「盛り上がり」が可視化できるようにした。英語で作成し、広告を付けずに無償で提供。世界各地から応援の動画や画像が投稿されることを期待している。

 サイトを立ち上げたのは、東京で動画解析を手がけるベンチャー企業を経営する神谷渉三さん(47)ら、エンジニアの有志メンバー。海外観客の受け入れ断念や、無観客開催が各地で決まるなどのニュースを目にする中で、観客と選手との一体感を生み出す仕組みが作れないかと考えた。

 神谷さんは、「会場に来られない海外の人々や、無観客の中で競技するアスリートに罪はない。恐らく生涯で一度きりの母国開催。こんな環境下だからこそできる体験を生み出せないかと議論した」と話す。サイトは8月8日の五輪閉幕まで公開され、8月24日~9月5日のパラリンピック開催中もオープンする予定という。

 神谷さんは、「大変な状況ではあるが、本来なら変化はチャンス。コロナがあったからこそ、世界中の人々と新しい形でつながれた、悪いことばかりじゃなかった、と少しでも感じてもらうことが取り組みのゴール」と話している。山崎啓介